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top > 2002年10月 > 09日
2002
Oct
09
AM0:00

Dear Friends,


 すっかり秋めいてきましたね。
 お久しぶりです、村山由佳です。
 このところ、何というか、正直申しましてアッタマおかしくなりそうなほど忙しい日々が続いていたもので、なかなかここにお邪魔できなくてごめんなさい。で、久々に顔出したと思ったら、すいません、またしても、新刊が出るよ?んのご挨拶です。(笑)
 前回の文庫新刊『翼』の時には、たくさんの方から感想のお便りを頂いて、ほんとうに嬉しかった。なにぶん分厚い小説でしたし、もちろん私自身気に入っている作品ではあったものの、あんなにも支持して頂けるとは……。おかげさまで深く、強く、熱く励まされました。ありがとうございました。
 えー、さて、今回出るのは小説ではなくて、ちょっとお久しぶりのエッセイ集であります。
 もう六、七年も前に出た、『海風通信 ? カモガワ開拓日記』というエッセイ集を、読んで下さった方っていらっしゃるのかな。あれは、房総半島・鴨川での〈田舎暮らし事始め〉といった感じのエッセイでしたが、今回新しく出る『晴れ ときどき猫背』は、位置づけとしてはいわばその続編のようなものと言えるかもしれません。やはり鴨川を舞台に、四季折々の自然の中での生活を綴った暮らしのエッセイではあります。
 ただし、今回の主人公は、私自身というよりは我が家の動物たち。
 ある日とつぜん迷い込んできた猫を発端に、大の猫嫌いだった相方の変貌ぶりや、猫ばかりでなくウサギや馬(!)までが家族に加わった事情、さらには農業権を申請し、三千坪の農地を手に入れて引っ越しを決めるに至ったいきさつ等々・・・・たった一年半の間に実際に村山家に起こった騒動の数々をお楽しみ頂ければと思います。
 猫好きの方は、相方と同居後十年間も猫をあきらめ続けてきた私の立場に、猫嫌いの方は、十年目にしてとうとう猫を受け入れざるを得なくなってしまった相方の立場に、それぞれ感情移入して読んで頂くのも一興ではないかと。本には、我が家の可愛い子猫たち(と自分で言うところが親ばかですが)の写真も満載です。もちろん、愛馬や花や、インテリア等々の写真もね。
 それにしても、雑誌『LEE』に連載を始めた当初は、まさか一年半後に自分たちが農場を作って馬と暮らすことになるなんて思ってもみませんでした。そればかりか、まさかまさか、誌上で我が家を売りに出すなんてぇ暴挙に出ようとは!!!
 人生ってほんとに、わからないものですね。
 今回の本は、表紙はもちろんのこと、中身もぱっと開くと動物だらけ、とくに猫だらけではありますが、私としてはできることなら「猫エッセイ」だとは思わずに読んで頂けると嬉しいです。だって、こんなに猫好きの私でさえ、人んちの猫自慢なんて読みたいとは思いませんもん。
 では、「猫エッセイ」でないなら何なのか? えらそうなことを言うようですが、自分では、「いのち」をめぐるエッセイとして書いたつもりでいます。
 ちなみに、『晴れ ときどき猫背』というタイトルは、私自身の願いをこめてつけました。どんなに辛いことばかり続くように見えても、人の一生はきっとそれだけでは終わらない。雨の日の猫のように、背中を丸めてやり過ごせば、いつかは晴れの日がやってくる。大丈夫、大丈夫--そんなふうな思いをこめたタイトルです。エッセイの中にも登場するとおり、『人生あみだくじ』と共に、今や私の座右の銘に。
 いかにも能天気まるだし、という感じですが(笑)、皆さんはどんなふうに読んで下さるでしょうか。
 よろしければ、また感想などお寄せ下さいね。
 楽しみにしています。




鴨川より愛をこめて
FROM YUKA

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