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top > 2008年03月 > 08日
2008
Mar
08
AM2:56

 なんでだか、二、三日前から咳が止まらない。
 ブロン液だとか、コンタックの咳止めカプセルなど、薬を飲めばしばらくはマシになるのだけれど、そのかわり天井が回ってくらんくらんする。
 ので、仕事の最中は薬を飲まずに、咳が出ても我慢するわけだが、しょっちゅうケンケヘン、ゲェッホゴォッホとやっていると、振動のせいか頭が痛くなってきて、それはそれでまたつらい。
 こうなったらとにかく早いとこ原稿を仕上げるしかねえべというわけで、トイレ以外は座りっぱなしで、夜まで。

 夜七時過ぎ、週刊文春『W/F ダブル・ファンタジー』第41回を脱稿。
「またまた、またまた、こんなに遅くなってごめんなさい!」
 のメール付きで、急いで担当A嬢に送付する。
 なんと彼女も私とまったく同じ風邪で苦しんでいるらしく、しばらくして、「とてもお聞かせできる声ではないので…」とメールで感想が返ってきた。
 こちらが今回いちばん書きたかった部分をきちんと受けとめた上で、「すばらしかったです。本領発揮ですね」と言ってもらえて、心から安堵する。

 しっかし、あれですな。
 毎回こうエロくさいシーンばかり書いていると、だんだん感覚が麻痺してきて、何がエッチで何がそうでもないのか、よくわかんなくなってきちゃったよ。

 いや、ポルノ小説を書いてるわけじゃないんだから、エロきゃいいってものでもないのだけれど、なんというか、せっかく覚悟を決めて書く以上は、単に赤裸々なばかりの性描写じゃなしに、エロスのもっと奥まで手をのばして何かをつかみ取りたいわけですわ。
 古今東西、女流作家による〈赤裸々で大胆〉な性愛小説はいくらもあるが、露悪的な性表現をどれだけ重ねたって、女の性の凄みを描いたことにはならんだろう、と常々思っていた。特殊が普遍に至ってこその本物だろう、と。
 ならば、どうするか。どう書くか。
 まだまだこれからエッチシーンは出てくることだし、こんどはもっと違う角度からも攻めてみることにしよう。がんばります。

 さて――明日は兄貴が、福島から2トントラックを運転してやってくる。
 というのも、こんど引き払うことにした仕事場には私の気に入っている大きなソファがあって、それを今住んでいるこのマンションに運ぶためには、こちらに置いてあるソファ(これだって十一月に買ったばかり)を放出せねばならず、つまり兄貴はそれを引き取りにくるというわけなのだ。
「革張りで真鍮の鋲がずらりと並んでるやつだけど、要る?」
 と言ってみたら、いっぺんに飛びついた。まあ、兄妹して好みがそっくりだからね。そう言うと思いましたよ。

 で、ソファを積んだトラックにくっついて、これまた今回兄貴に泣く泣く譲ることにした私のジープ・ラングラーを運転していき、一泊したら車を置いて、私は電車で戻ってくる、と――そういう手はずなんであります。

「こっちへ来たら、旨い魚をおろして食わせてやるからな。楽しみにしてろさ」
 と兄貴は言っていた。
 まあね、新品同然のソファはタダで差しあげ、高値で売れるはずのジープも「ある時払いの催促なし」なんだから。
 可愛い妹のために、それくらいはしてもらわなきゃあねえ。 



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