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top > 2008年04月 > 24日
2008
Apr
24
AM0:23

 春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと
  外(と)の面(も)の草に日の入る夕(ゆうべ) 

 ……なんていう歌があったなあと懐かしく思い出したのは、今日の夕陽を眺めてのこと。
 新しく仕事場にした部屋は真西を向いているので、高層ビル群の向こうに沈む夕陽を堪能することが出来るのだ。

 冒頭の歌は、言わずとしれた北原白秋。むかし教科書に出ていて、好きだったから頭に残っている。
 そういえば何かの本でこの歌を、「春の鳥よ鳴くな、夕陽がこんなにも赤い、美しい夕方じゃないか」という具合に訳してあるのを見て、嘘をつけぇ! と思ったことがあったっけ。これはどう考えても、「それでなくとも夕陽が赤くて胸を締めつけられるのだから、どうかもう鳴いてくれるな」という意味合いの歌なんじゃないの。

 それはともかく、教科書って、今ふり返るとけっこういい歌や詩がいっぱい載ってたんだよな。同じ北原白秋で、
 
 かくまでも黒くかなしき色やある
  わが思ふひとの春のまなざし
 
 とか。白秋さんてば、おそるべきロマンチストって感じ。

       ※

 日記、一週間ほどあいちゃった間にも何だかんだいろいろあったけど、まあいいや、めんどくさいから割愛。

 水曜日の夜半、『W/F~ダブル・ファンタジー』第48回を脱稿。
 大事な場面だった。主人公が、夫とのセックスのあと、彼に初めて「別れて」と口に出すところ。

 躯は火照っているのに心は冷めている。頭まで醒めきっていても快感はちゃんとある。それでもなお決定的に気持ちは離れてしまっていて、しかし夫の側はそのことに最後まで気づかない。それどころか、これで妻の愛情を取り戻せたのじゃないかと勘違いしている。お互い、躯を合わせながらまったく違うものを見ている。
 書いていて、ひどくしんどかった。そのしんどさが、小説のこの場面を意味あるものにするために、有意義に働いているといいと思う。

 ともあれ、これでようやく、週刊文春に関してはゴールデン・ウィーク前進行に一段落付いたということになる。

「連休なんか、連休なんか、なくなっちゃえばいいんだ!」

 と某担当氏の前で叫んだら、さっくり言われた。

「作家の方たち、皆さんそうおっしゃいます」

     ※

 さて、あと当面急がなくちゃいけない仕事は、『おいしいコーヒーのいれ方』ノベルス版第十二巻のゲラ直しと、文庫版第十巻のゲラ直し、ノベルス版のあとがきと、文庫版のあとがき、それにWeb用の読者向けメッセージ。
 とりあえず金曜日は、とある書店関係のイベントのため、日帰りで大阪です。

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