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top > 2008年08月 > 06日
2008
Aug
06
AM3:06

 御無沙汰してすみません。
 サボっていた日記を、ダイジェストでお届けします。


 7月最後の土曜日は、隅田川の花火大会。
 こんど引っ越す先の大家さんのご厚意で、お隣のマンションの屋上から見物させて頂いた。
 またまたゆかたを着て出かけ、右目で第一会場、左目で第二会場の花火を堪能。 直前に少々凹む出来事があったせいか、花火がよけいに美しく見えるというおまけつき。哀しいことがある時って、きれいなものはなおさらきれいに見えるんだよな。

 それにしても、東京に出てきて以来、やたらと花火づいている。
 この前の週の柴又花火大会は去年に続いて二度目だったし、東京湾大花火大会だって、去年は当時借りていた運河沿いの仕事場の窓から、大事な女友だちと並んで眺めた。
 冬の間は部屋のベランダから毎週のように某所の花火が見えていたし、おまけにこの前のアメリカでは、7月4日の独立記念日の花火を、シアトルの友人たちと一緒に眺めることができたし。

 でも、個人的にいちばん好きなのは、昔ながらの地味な線香花火。
 ちっちゃい時、あの沈む夕陽みたいな最後の火の玉が足の甲に落っこち、その気もないのに根性焼きをつくる羽目になって大泣きしたことがあったっけ……。

     ※ ※ ※

 引っ越し先の改装のために、千葉の巨大ホームセンターへ出かけたり、あれやこれやのショールームを見学に出かけたりしている。
 見ても見てもきりがない。タイルとか、カーテンとか、ドアとか、設備関係とか。
 先日は、合羽橋で業務用のガス台にあたりをつけ、ついでに秋葉原で食器洗い乾燥機を探すも、卓上式だけでビルトイン式のものが展示されておらず空振り。 かわりに上の階の書店で、最新の住宅設備が載っている雑誌を数冊購入する。
 
 その後、車で移動していたら、東京新聞の人から電話がかかってきた。
 あ、そういえば隔週連載エッセイの依頼メールを頂いていたっけ……と思い出し、しばし逡巡したものの、結局、よろしくお願いしますと答える。もう一人の執筆者は落合恵子さんだという。
 暮らしのエッセイはここしばらく敬遠していたのだけれど、OKする気になった自分が――つまりまた身辺のことを書く気になってきた自分が、ちょっと意外で新鮮だった。
 というか、正直、サボってる場合じゃないっていう部分も大きいわけですわ。ははは。
 ほぼ自給自足の田舎暮らしと違って、東京での暮らしはほんとに物いりだ。せっかくお話を頂いた仕事はできるかぎり受けてまじめに働かないと、おまんま食い上げなんだよう。


 仕事の合間を見つけては、ちょくちょく引っ越し先の物件へ行って、ああでもない、こうでもない、と床にビニールテープで間取りの印をつける作業に耽溺している。
 家作りって、こういう段階がたまらないんだよな。これから始まるって時のワクワク感がいちばん愉しい。ちょっと恋愛みたいだ。

 ある日の晩ごはんは、物件近くの駅前で、会社帰りの友人と待ち合わせてステーキ。近くのカフェ・ヴェローチェでしばらく喋ってから、まだがらんどうの物件を見せに案内した。
 彼女も家作りが趣味?だから、双方、あれこれ話に花が咲いて止まらない。階段や床に腰をおろし、夜中の二時過ぎまで喋りまくる。

 大きな音のするシャッターをそろりそろりと開け、車庫から車を出して、彼女を家まで送り届ける。
 途中の地名や通りの名前を眺めていた彼女が、
「うわあ、『御宿かわせみ』の世界ですねえ」
 と言った。
 たしかに、そういう土地柄なんだよなあ。
 夕暮れ時にふつうに道を歩いているだけでも、開けっ放しのガラス戸からお線香の匂いが流れ出てきたり、軒先に吊りしのぶがぶらさがっていたり、子どもがクワガタを飼うような水槽に水草のホテイアオイが浮いていたり、盆栽が整然と並んでいたり、どこからともなく風鈴の音が聞こえてきたりする。
 それだけで、なんというか、「ただしい」感じがする。そういうところに、ほんのすみっこでいいから自分も混ぜてもらいたい気持ちになる。

 どうやらもうすっかり、この新しい住み処が好きになりかけているみたいです。


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