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2009
Jan 02 |
PM21:44
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明けましておめでとうございます。 まあずいぶんと日記が抜けたこと。 前回が十月末だから、二ヶ月以上滞っていたことになる。 書きたくなかったわけではないのだ。晩秋から年の瀬にかけて、書きたいことはむしろいっぱいあった。がしかし、肝腎の原稿が押せ押せなのに日記だけマメにつけているとなったら、担当諸氏にあわせる顔がないじゃありませんか。 でもま、新年のご挨拶くらいは見逃してもらえるでしょうってことで。 皆さま、本年もどうぞよろしくお願い致します。 なお、Newsのほうにも書きましたが、1月8日には久しぶりの長編小説『ダブル・ファンタジー』が刊行。 同じく月の後半には文庫版の『ヘヴンリー・ブルー』が出ます。 進行中の仕事としては、モロッコを舞台にした長編『遥かなる水の音』を「小説すばる」に連載中。そして、延び延びになっておりましたが今月からついに、「おいしいコーヒーのいれ方」のWeb連載も再開されます。さらに秋口からはたぶん、何紙かの地方新聞での小説連載も始まる予定ですし、朝日新聞のビジュアル本コラムも、このごろでは一ヶ月に一回めぐってくるようになりました。 おかげさまで今年も忙しい年になりそうです、はい。 ※ ※ ※ 元旦の明け方に、浅草寺まで出かけておみくじを引いたところ、私が「末吉」、同居人は「凶」だった。 昨年の増上寺では二人とも「大吉」だったのになあ、ちぇ、などと思いつつそのまま忘れていたら、同日夕方、石段のラスト一段を踏みはずして、左足首をグキッとな (TÅT) 尻もちをついたまましばらく痛みに立ちあがれず、同居人におぶわれて車まで運ばれる始末。 「重いでしょ、ごめんね」 と心にもないことを言ってみたら、 「うん、ダイエットしようね」 と本気で返された。 ちきしょう……そもそも「凶」を引いたのはあんたやなかったんけ。 家に帰りつく頃には足首のまわりがもっこり腫れて、新年早々、部屋の中をケンケンで移動しています。なんて素敵な年の始まり。 しっかし、去年の今ごろには、翌年の正月を別の住まいで迎えるだなんてまったく予想していなかった。 そりゃそうだ。引っ越しを思い立ったのはたしか六月で、その十日ほど後にはもう物件を決めてしまっていたくらい急だったんだもの。 あのまま今に至るまでずっと、レインボーブリッジの見える高層マンションの一室で暮らしていたらどうだっただろうと考えてみる。眺望だけは都内随一といえるくらい遠くまで抜けていて素晴らしかったけれど、にもかかわらず、ただごとではないほどの閉塞感にじわじわと息苦しくなってくるような場所だった。 「芸能人の誰それが住んでいた、っていろいろ耳にしたけど、考えてみればみんな過去形だもんね」と言ったのは同居人だ。「結局みんな出てっちゃってるんだよ」 そう、彼とも、あそこに住んでいた間のほうが今よりはるかによくぶつかった。互いのやり場のない苛立ちが四方の壁に跳ね返ってまともに突き刺さってくるみたいだった。 住んでいる間には、レインボーブリッジからはるか下の海面めがけて飛びこんで死んだ人もいた。練炭自殺で亡くなったあの女性アナウンサーだって、うちのベランダから真下に見下ろす埠頭を最期の場所に選んだのだった。 いま連載している小説の主人公と違い、私にはこの世のものでないものを視る力など無いけれど、「場の力」というものはきっとあるんじゃないかと思っている。ふつうは古い場所であればあるほど強いものだが、あそこは、新しいのに何かこう、負の力がとぐろを巻いて溜まってしまうような場所だったのかもしれない。 そういう意味において、今はぽっかりと気持ちよくて楽ちんだ。 いまだ中をあちこち改装中のビルは半端でなく寒いし、窓の外に海も富士山も東京タワーもないけれど、そのかわり、心とからだが負に傾くようなよくないものは何にも滞っていない。寒いといったって凍え死ぬほどじゃない。部屋の中で業務用ストーブをがんがん燃やすのも、分厚い靴下と何枚ものセーターで着ぶくれるのも、それに、愛からではなく生存本能から男とくっつき合って眠るのも、それはそれで悪くない。 むしろ、これぞ正しい冬、という気がする。 ※ ※ ※ やばい。書きはじめるとつい長くなっちゃうんだよな。根っからの長編体質ってことかしら。 さ、そろそろ仕事に戻るとしますか。(怪我したのが足首で何より、とかいう担当諸氏のつぶやきが聞こえてきそうだよ) 写真は、初詣の浅草寺にて。 このとき並んで買った屋台の串焼きは、タレがあまりにもしょっぱすぎて、どう頑張っても半分も食べ切れませんでした。合掌。 【 diary 】 comments (x) trackback (0)
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