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top > 2008年05月
2008
May
23
PM18:53

 先日、久しぶりに花をたくさん買った。
 ピンクのシャクヤク五本は、写真とは別にリビングのガラステーブルに生けたけれど、ちまちました花や尖った葉っぱのものは、そういう場所に飾ると絶対もみじや銀次にかじられるので(へたをすると引っぱって花瓶ごと倒されるので)、唯一安全なトイレに生ける。
 トイレって、ある意味、最もじっくりと花を観賞できる環境とも言えるしね。

 

 アイスペールにどっさり生けてタンクの上に置いたのは、紫のライラックと白のリョウブ、剣のようなニューサイランと斑入りの鳴子百合。
 手洗いボウルの横、このあいだ買った平底フラスコに飾ったのは、シャクヤクとリョウブ。

 

 どれもみんな、以前は庭から切ってきては飾っていた花だ。リョウブなんて裏山にいくらでもはえてたよ。

 しっかし、うーん、こうして見ると蛇口のデザインがつくづく許せんな。
 賃貸だからしょうがないんだけど、これが真鍮のレトロな蛇口で、カウンターが細かいモザイクタイル貼りで、ついでに壁が漆喰塗りだったなら(←欲張りすぎ)、飾った花だってもっと様になるのになあ、と思う。
 せめて蛇口、内緒で交換できんもんかね。カウンターには今と同じかたちにくり抜いた板を置いて、その上に自分でモザイクタイルをびっしり貼るとか。
 ……そんな暇があったらせっせと書いて仕事して、いつかまた家をつくる資金に回したほうがマシかねえ。

     ※

 午前七時、めずらしく起きだし、仕事場のベランダに続くサッシを開ける。
 ああ、朝の空気だ。いい風だ。山あいのそれのみずみずしさとは比ぶべくもないけれど、都会暮らしにもいいかげん馴染んできた体には充分すがすがしい。
 たまには朝早く起きてみるのもいいもんだな。なんか、自分が真人間になったかのような錯覚を愉しめて。

 きんきんに冷えた不二家のピーチネクターを飲みながら、ゆうべ書きだしてはみたものの眠さに力尽きた『小説すばる』エッセイ、残りを書きあげて担当の I ちゃんに送る。
 お題は、「私がエロスを感じた小説」。
 ほとんどの蔵書がまだ鴨川にあるもので、記憶をたぐりよせるのに難儀したが、結局、芥川の『地獄変』と、平井和正の『狼の紋章』を取りあげることにした。
 エッセイのタイトルは、『ドMです』――です。


diary 】 comments (x) trackback (0)
2008
May
26
AM0:00

単行本: 212ページ
出版社: 集英社
ISBN-10: 4087031926
ISBN-13: 978-4087031928
発売日: 2008/5/26

新キャラ登場で波乱の予感!?
勝利、大学3年生の春。鴨川に住むかれんとは相変わらずの遠距離恋愛である。久しぶりに鴨川に泊まりで訪れた勝利はかれんの気持ちを確認、幸せにひたるが、帰京した彼を待っていたのは……。

works::おいコー 】 comments (x) trackback (0)
2008
May
27
PM19:26

 先週の金曜日から、北海道は遠軽の大雪山の近くにいた。北海道ではシーズン最初のエンデュランス大会 (乗馬の長距離耐久競技) だ。
 去年はこの同じ大会で、栗毛のジャッキーに乗って初優勝を飾ったのだが、

「今回は、勝たないぞー」
 と、師匠は電話で言った。
「完走だけめざして、ゆっくりのんびり行くぞー」

 そりゃもちろん大賛成だけれど、問題は、私らどっちも、本番になるといっぺんに熱くなっちゃうタチだってことなんだよ。
 特においら、どうやら車のハンドルと馬の手綱を握るときだけは、気が短いみたいなんだよ。何かでスイッチが入ると、つい、去年みたいに10キロの山道を35分足らずでシャカリキに走り抜けたりしちゃうんだよ。おばかです。
 今回は、ゆっくりいきます。
 ええ、ぜったい。

 と、自分に言い聞かせていたのだが――

   ※

 こ……腰をやってしまった。
 押しも押されもせぬ?椎間板ヘルニア持ちで、しょっちゅう傷めはするのだが、今回はどうも、マジヤバいというかオニヤバイというか何というか。
 何しろ、まともに歩けない。
 膝の高さより下にあるものが一切拾えない。
 寝返りが打てない。
 腰椎ベルトをきつく締めていないと座っていることも出来ない。

 土曜日、つまり60㎞競技の前日、ごく軽い荷物をひょいと持ちあげた拍子にズルッと腰の蝶番がずれたのが発端だった。
 そこで棄権しておくべきだったのだろうと、今ふり返ればわかる。
 でも、その時は、そんなにたいしたことないと思ったのだ。これまでにだって、前日に負った左ふくらはぎ肉離れを押して40㎞走ったこともあれば、同じく前日に背中から落馬し背筋を傷めてなお60㎞競技に出たこともあったんだから、この程度の腰で、棄権はないでしょうよ、と。

 その晩はゆっくり温泉に浸かり、湿布を貼って寝て――
 翌、日曜朝5時スタートの競技には、痛み止めのバファリンをのんで出た。昨年の覇者ってことで選手宣誓までしといて、出場しないわけにもいかんでしょう。

 60キロを走る5時間半のあいだに、追加で三回バファリン投入。朝起き抜けのとあわせて合計8錠のんだおかげか、馬上にいる間はそんなに言うほど辛くもなかった。久々に師匠と一緒に走るのが愉しくて、気が紛れていたせいかもしれない。
 ところが、50㎞地点で師匠の乗馬ミナミの後足に痙攣がきてしまい、彼だけ棄権。残りの10㎞は私一人で走ることになってしまった。
 そこそこ順調にぐるりと山の中を回ってきて、着順2位でゴールしたまではよかったのだが、そこでジャッキーから下り、30分後の獣医検査をぎりぎりの心拍数でパスし、いったん椅子にかけて休み――次に立とうと思ったら、なんたることだろう、ろくに歩くことも出来なくなっていた。ほんとにいきなり痛みが来たのだ。

 どうして乗っているときは大丈夫だったんだろう、気を張っていたせいかなあ、と首をひねる私に、年下の友人Tちゃん(元看護師さん、今の仕事は薬剤開発関係)は、おっかない顔をして言った。

「アドレナリンのせいですよ、由佳しゃん。アドレナリンには脳内麻薬っていうか、麻酔みたいな効果がありますからね。だから途中で言ったでしょう、いくら痛みを感じなくたって、それはあくまでも鎮痛剤によるもので、その間にも酷使し続けてる腰はどんどん悪化していってるんですよって。お願いだから無理しないでくださいって、あれほど、あれほど言ったのに。おまけに、乗る前は『今日は頑張らない』なんてあんなに言ってたくせに、もう……」

 ……はい、ごめんなさい……。 

 結局、心拍数その他の総合点で、ジャッキーは3位だった。
 去年は「祝・優勝」なんて『小説現代』のグラビアを飾ったりもしたものだけど、今回は人馬とも、競技前のコンディションを考えれば、完走できただけで充分すぎるほどと言えましょう。
 一緒に走った師匠からは、競技において為になること(馬全般についての知識から、「ジャッキーに」乗る上でのピンポイントの知識や考え方までいろいろ)を教わることができたし、やっぱり、ちょっとくらい無理をしてでも出場してよかったと思うのだ。

 そういえば、小学生の娘のしおりちゃんや乳飲み子のハヤトくんを連れて応援しに来てくれたN さんから、
「どうだった? 楽しかった?」
 と訊かれ、
「うん、最高だった。山の中で、師匠からいっぱいおそわれたし」
 と答えたら、ドン引きされた。
 
 あ、いっぱい襲われた、じゃなくて、いっぱい教われた、ですから!
 
 写真は、競技中に撮ってもらったもの。

 
 完走したジャッキーと。

 
 師匠との爆走中。

 
 最後は、なかなか心拍の落ちないジャッキーの獣医検査を見守ってる最中。

 このあと獣医さんが合格サインを出してくれて、安堵のあまりしゃがみこんだのでした。
 

      ※ 

 文字どおり這々の体で日曜のうちに戻ったはいいが、何しろパンツ一枚はくのにも3分以上かかるありさま。

 痛い。……いたい!

 どうしようもなくて、翌朝いちばんに、整体の先生にみてもらいに出かけた。
 ところが。 がんばって運転していく最中、首都高速の新宿を過ぎてしばらくたったあたりで、どんどん気分が悪くなってきた。
 むかむかする。貧血の前触れで、生唾がわいてくる。どれだけ息を吸っても酸素が足りない。
 苦しさに窓を開け、すぐそこの出口から下の道におりた。どこの出口だったのかも覚えていない。
 路肩に止め、腰椎ベルトをゆるめ、シートを倒して目をつぶる。無事に下りられてよかった。あのまま出口もなく緊急駐車帯もなかったら、へたをすると事故ってるところだった。
 胃が空っぽだったからよけいに良くなかったのかもしれないけれど、途中ファミレスで朝食をとってもまだ気持ち悪いままで、しばらくトイレで死んでいた。

 いちばんの原因は、おそらく、「座薬」だった気がする。
 去年の十一月にかかった尿管結石の痛み止めとして処方されたまま、だいじに冷蔵庫に貯蔵?してあった座薬を、じつは出がけに我と我が身に埋めたんである。何せ腰が痛いもんだから、なかなか要所に手が届かなくて、えっらい苦労した。
 だって、昨日一日で結局バファリンを1シート(10錠)飲んでしまった胃だ。いくら何でも飲み薬はもうよくないだろう、ならば上からじゃなくて下から……と素人なりに頭を使って考えたわけだが――。
 薬って、こわいもんですな。まあ、座薬が原因かどうかは定かじゃないけれど、そうでもなけりゃ、あんなにいきなり気分が悪くなったりしないでしょうよ。

 ようやくたどりついた診療所で、45分ほどかけてあちこちほぐしたり、バキバキッとやってもらったりするうちには、来たときよりもかなりマシに立てるようになった。ふう。まいったまいった。
 最初うつぶせになった時は、かなりひどく体がゆがんでいたらしい。そろえたつもりの足先を見て先生曰く、
「長さが3センチも違うよ。ここまで違うってのは珍しいくらいだ」
 ……わりと最近『おいコー』に、これとそっくりのシーンとセリフを書いたよなあ、と思いつつ、腰に埋まる指にアウッと呻く。
 ひぃ!
 はううッ!
 せ、先生、い、痛い、です。
「はは、そのうちキモチヨクなってくるって」
 ……なんで私がドMだって知ってるんだろう。(←おい)

 先生によれば、腰から背中全体が炎症を起こしているのは理由を聞けば納得だが、内臓もかなりやられている、とのことだった。昨日たまたまバファリンを飲み過ぎたとか、そういうことばかりでなく、ふだんから眠気覚ましの薬なんか飲んで、寝ないで無理してることも多いんじゃないの、と。
 どうしてわかるんですかと訊くと、全身のツボを押した感触と反応でわかるのだそうだ。
 とくに、みぞおちや下腹部。健康な人にとっては気持ちのいいツボが、私は、押されるたびに悶絶するほど痛かったのだ。首も肩も、腕の付け根もゴリッゴリ。やれやれ。
 このごろとくに、咳止めだの何だの、やたらと薬漬けだったもんなあ。こんなに腰が痛くちゃ、落ち着いて長時間座って書くこともできやしない。(そのわりに日記は長いけど。)

 しばらく対症療法はやめて、ちゃんと治すところは治して、なるべく人並みのきちんとした生活を心がけるようにしようと思います。……ます。

    ※

 無洗米というものをこんなにありがたく思ったのは初めてだった。洗いものはゆっくりなら出来るけれど、米までは研げない。ふだんは気づかない意外なところで、腰に力を入れているものである。
 ことほどさように、鍋は持てるが、鍋に水を張ると持てない。ので、ガス台に置いた鍋に、ボウルに入れた水を何度にも分けて移しては満たして湯を沸かし、新千歳空港で買ってきた北海道産・朝採りアスパラを茹でる。
 茹であがった頃に気づいたが、流し台の下にしまってあるザルなんて、谷底に落ちてるも同じに思えるほど遠くて、到底取り出せない。揚げカスすくいの網でアスパラをすくって氷水に取り、どうにか事なきを得る。

 万事そのようにしてそろりそろりと用意した夕飯は、生ウニ&イクラ丼。
 熱々の炊きたて御飯に北海の幸をたっぷりのせ、上から北海道産の山わさびをといた醤油をまわしかけ、きざみ海苔を飾って……。
 嗚呼、なんたる幸せ。こんなことなら奮発してもうひと舟買ってくるんだったよ、とつくづく後悔したくらい美味しい、みょうばんの匂いなんかまったくしない、大当たりのウニでした。

 次にこれが買えるのは、六月下旬の大会の時だな。
 よっしゃ、早く腰を治さないと!


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2008
May
27
PM21:07

 

 遅ればせのお知らせですみません。
 5月26日、『おいしいコーヒーのいれ方 Second Season Ⅱ 明日の約束』 が発売されました。
 セカンドシーズン第二巻、通算、第十二巻。
 今回は、久々の番外編つきです。乞うご期待!
 
 なお、これにともない、今年も刊行記念サイン会を開いて頂けることとなりました。

★6月7日(土)15:00~
 <鳥取>今井書店 錦町店
 米子市錦町3-90
 (お問い合わせ)0859-37-6700

★6月8日(日)15:00~
 <千葉>BOOKSキデイランド 千葉店
 千葉市中央区新千葉1-1-1 ぺリエカーニバル内
 (お問い合わせ)043-225-2011

※ 両会場とも、整理券が必要です。
  サイン会以前に、会場の書店で「明日の約束」をご購入のうえ、整理券をお受け取りください。


 お時間のある方は、ぜひいらして下さいね。
 皆さんにお目にかかれるのを楽しみにしています。

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