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2009
Oct 01 |
PM23:58
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二度あることは三度ある、などと申しますが。
一昨日につづいて、本日はなんと、柴田錬三郎賞の受賞が決まりました。 これで『W/F ダブル・ファンタジー』は、中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞と合わせて、トリプル受賞ということに。 ちなみに同時受賞は、篠田節子さんの『仮想儀礼』。篠田さんは、同じ小説すばる新人賞出身の先輩です。 毎年、集英社文芸四賞の授賞式は、柴田錬三郎賞、開高健ノンフィクション賞、小説すばる新人賞、すばる文学賞、の四つを合わせた式となっているわけだが、意外なことに小説すばる新人賞の出身作家(篠田さんが第三回の受賞者、私が六回目)が柴田錬三郎賞をも受賞するのは、二十と何回目だかを数える今回が初めてなのだそうだ。 しかもいっぺんにダブル。 主催者である集英社の皆さんは口を揃えて、そのことに特別の感慨があると言っていた。なるほどなあ。確かに、自分のところから輩出した作家が時間をかけて育ってきたってことでもあるんだものなあ。 どちらの受賞作も今回は集英社刊の作品でない、というのがちょっとアイタタなんですけども、とのことでありました。(笑) それにしても、同じ作品で三冠というのは、空前絶後の快挙と言ってよいのではないかと周りの皆さんから本気で驚かれた。二つならまだしも、三つは史上初かもしれませんよ、と。 でも、いちばん驚いているのは本人です。 まだちょっと信じられない。自分のことなのに、 (ムラヤマユカが柴錬賞だってよ。うっそマジ? まだ早くね?) みたいなヘンな気分です。 知り合いの某新聞記者さんが電話で、トリプル受賞の件について早く記事にしたいのだが、島清恋愛文学賞だけはまだ正式な記者発表が行われていないので、明日の新聞にはたとえ載せるとしても柴田錬三郎賞のことだけになってしまうかもしれない……と残念そうに言って下さっていた。 いやもう、充分です<(_ _)> ……さ。 手ばなしで喜ぶのは、今日だけ。 明日からはまた、平常心で書きつづけなくては。 身に余る賞だが、もらってしまった以上はそれに恥じないだけの自分でいたい、と思う。その思いの強さやプレッシャーが、さらにまた上へと書き手を押しあげてくれるんだろうな、と思う。 賞というものは、きっと、そのためにこそあるんだろう。 【 diary 】 comments (x) trackback (0)
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2009
Oct 19 |
AM10:20
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今回は、非常に個人的な御報告をさせて頂こうと思います。
その前に、すこし、思うところを書かせて下さい。 本人の運営する公式サイトとはいえ、これまで、私の身に起こる出来事のすべてをここに書いてきたわけではありません。とくに、どこまでもプライベートな出来事、プライベートな選択、プライベートな覚悟、などなどについては、あえて沈黙することを選んできた場合もあります。 なぜなら、言うまでもないことながら、「作家・村山由佳」が私という人間のすべてではないから。 もちろん私という個人と「作家・村山由佳」とは、切り離すことなどできないし、プライベートな部分が作家としての私を日々新しく形づくっていく側面も大いにあります。それでもなお私の中には、作家という仕事(あるいは生き方)からまったく自由である部分もあって――そういった私自身の人生のすべてを、あくまで「作家・村山由佳」の作品の読者でいて下さる皆さんに向かって、根こそぎあからさまにして説明するのは、かえってお門違いであろうと思うからです。 だって、本人からこういう場で何かをお知らせしたり発信したりするということは、すなわち、「わかってほしい」という思いを押しつけることになってしまうでしょう? 作品そのものや、小説を書く姿勢についてならば許容の範囲内かもしれませんが、ごくプライベートなことまで読者の皆さんに事細かにわかってほしがるのは、むしろわがままであろうと思うのです。 でも、今回のことばかりは、先に新聞などの記事にもなったことですので、一度は私本人の口から御報告しておくべきかと思い直し、書かせて頂くことにしました。 前置きが長くなりましたが―― ムラヤマ、このたび入籍いたしました。 えっ、いつのまに離婚したんだ? と思われる方もいらっしゃるかと思います。2007年の暮れのことでした。 別れた元の夫とは、今でも仲良しです。つい先週も鴨川の農場の庭に実った柿をたくさん送ってくれましたし、今回の私の入籍について報告したときも喜んでくれました。 そのとき彼がいみじくも口にしたとおり、互いのポジションはこの先も「永久欠番」なのでしょう。17年間をともにした絆は、やはり有形無形に互いの中に残っているのだなとしみじみ思いました。彼と、彼のしてくれたことについては、言葉など追いつかないほど感謝しています。 入籍をした15日は、中央公論文芸賞の授賞式でした。 朝から区役所へ出かけていって、婚姻届を提出してきました。 「二度目ともなると、一度目とは違う感慨があるものですか?」 手続きを待ちながら、隣に腰をおろした〈彼〉がからかうように言いました。 「そうだね、うん。隅から隅まで自分の意思っていう感じが強くする。何に追われたのでも、流されたのでもない……自分でとことん考え抜いて、ふたりで相談して決めて、書類も何もかも自分たちで揃えて提出して。いわゆる、大人の結婚って感じ?」 なるほどね、と彼。 「あなたのほうはどう? 何かしらの感慨がある?」 「まあ俺は、初めての結婚だからね」 私を横目で見てニヤリ。 「ふん! 私だって、初めての再婚だよ」 要するに、この言葉がそのまま、夜の授賞式でのスピーチにつながったというわけです。 名前を呼ばれて壇上のマイク前に立つその時まで、出だしの部分以外は何も考えていなかったのですが、おかげで少しも緊張しませんでした。話すことを決めこんでいると、忘れてはいけないと思うあまりにかえって緊張してしまうものなのだなあということを初めて知りました。あがりはしない私でも、緊張くらいはするのです。それが今回は一切なかった。 入籍については、前もって、主催社である中央公論新社サイドから「ぜったい場が華やかに盛りあがるにきまっているので是非とも発表してほしい」と頼みこまれてはいたのですが、私は最後のさいごまで言おうか言うまいか迷っていました。そこまでプライベートな出来事を受賞の挨拶の一部として発表するのは、それこそ何かこう、筋が違うのではないかと思ったからです。 でも、実際に600人を前にして話した内容――(小説がどうしても書けなくなったために、あれほど心血注いで造りあげた鴨川の農場と家を離れ、独りになることを選び、ぎりぎりの思いの中で『W/F』を書きあげたこと、などなど)――を考えると、このスピーチの終わりに、いま私自身がたどりつき、舟を漕ぎ寄せた岸辺について報告するのはむしろ自然であるように思えたので、結局、思いきって口にしたのでした。 「……最後に、とても個人的なことになりますので恐縮なのですが、じつは今朝、区役所へ行って、入籍を済ませてきました」 (会場がどよめき、自然に拍手が沸きあがったときは素直に嬉しかったです。そのざわめきがおさまるのを待って――) 「初めての、再婚です。(会場、笑い) そしてまた、この結婚が書き手としての私を守りに向かわせることはないと、信じたからこその選択でもあります」 ※ ※ ※ ――とまあ、そんなようなわけで。 翌朝の新聞記事は、受賞と入籍のどちらがニュースなんだかわからないよ、という感じのものでしたが(笑)、いずれにしても、まあいいじゃないか、どちらもめでたいことだと皆さんに思って頂けるとしたら、これにまさる幸せはありません。 新生・ムラヤマ、これからもますます精進します。バリバリ書きます。 見守っていて頂ければ幸いです。 【 diary 】 comments (x) trackback (0)
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